はーい、こんにちわ、ゆんゆんふぁいたーのお時間です。
前回、分解して故障原因究明をおこなった、このジョーゼンのハマーの追加工対策を今回はお送りしたいと思います。
○原因
早速ですが、その原因は、この白いギヤがシャフトと空回り(滑る)を起こしていることだとお伝えしました。しかも、気づきにくい理由が、このシャフトの細さ。すごいトルクがかかって滑っているので、ギヤとシャフトを手で触っても、ここが滑っているとはわかりません。ペンチでシャフトをつかんでギヤをまわしてやっと滑るくらいです。
でも、実際ここが原因で車は進まなくなっています。
こちらのハマーの場合には下のようにローレット加工が施されているだけです。簡単に滑ってしまうのは仕方ないでしょうね。もっと大径であったり、スプライン加工だったりすれば別ですが、これはトルクに対する設計として間違っています。
通常このシャフト径にギヤを組み合わせる場合は下のような構造をとるでしょう。特にRCヘリなどでは、すべてこの構造、もしくは貫通ボルトとなっています。
5000円ほどのトイラジコンに対して、ここまで求めるか?という話もあるかとは思いますが、LEDのギミックや適当な防水のギミックを付ける前に、走る、曲がる、止まるをしっかりさせることは重要です。設計的配慮が足りないせいで壊れたのに、子供心には壊してしまったという後悔が残ります。。。悪いことしてないのに、ですよ。
○対策
というわけで、ゆんゆんふぁいたー的には怒り心頭ですが、ここは本気で行きます。
当然、先ほどのRCヘリのピニオンと同じく、ロックボルトを装着していきます。
ねじサイズはM2が限界でしょうから、そのサイズで、ねじを短く切ったものを用意して使います。
まずはギヤにねじ用の穴を開けます。ここは軸に垂直になるように開けます。今回、穴径が小さすぎてドリルがないため、リューターの極細ヘッドで攻めます。
あきました!!!
そしたら、ねじが入ることを確認して、次はシャフトに平面部を作ります。こちらは、リューターに砥石を装着してきれいに加工していきます。
出来上がった姿がこちら。ギヤにはロック用の穴加工+ねじ。そしてシャフトにはそれを受ける平面加工です。ギヤの樹脂がこれまたやわらかいので、ねじはできる限り大きなものを使うほうが良いです。
平面部にねじが正しく乗る位置に戻して、締め付けます。これで滑ることはありません。
再組付け前の最終チェックは、追加したロック用のねじの干渉です。ギヤカバー側に装着して回転が問題ないことをチェックします。ここで干渉すると、一気にモーターが焼け死にます。他に滑るところが無いからですね。
○再組み立て
それでは再組み立て行きます。ギヤカバーを装着します。ゴムパッキンがあるので、均等に締め付けしましょう。ねじ5本です。
リヤの駆動ユニットを装着します。ここはねじ2本です。ここを支点に上下に揺動することを確認しましょう。
次に、電脳部のカバーを元に戻します。ここもねじ2本です。
ここまできたら、リヤ駆動ユニットのスプリングを装着して、上部のガイドで固定します。ここは大きいねじ3本です。
あとはボディをかぶせます。分解時と同じなので割愛しますが、ねじは合計4本です。
そして完成!!試走の結果。これで滑りはなくなりました。
○まとめ
このハマーですが、購入直後の初期不良はまだ許せました。偶然悪いものにあたる、ということはどんな製品でもあることですから。でも、でも、こんなに短命でギヤが滑る、しかも滑るべくして滑るという設計・・・。技術屋としては、トイラジコンならこんなもんですよね、とはいえないです。
表に見える装飾のステッカーやLEDが憎らしく思えるほどです。そんなものに手をかける前に基本機能や耐久性をちゃんと磨きなさい!と。
とりあえず、同様の現象が発生しているユーザーはたくさんいるはずです。リューターと各種ドライバーがあれば、ここまで修理は可能です。ぜひ参考にして頂ければと思います。
ゆんゆんふぁいたー